九州大学 材料工学部門 工学部 材料工学科 大学院工学府 材料工学専攻 大学院工学研究院 材料工学部門

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2024/03/17

齊藤敬高准教授の主宰した研究グループが日本鉄鋼協会山岡賞を受賞しました!

齊藤敬高准教授の主宰した研究グループ

「多相融体の流動理解のためのスラグみえる化」研究会が

日本鉄鋼協会山岡賞を受賞しました!

共同研究賞(山岡賞)は鉄鋼の学術、技術の共同研究に著しい功績のあったもの(グループ)に授与されるもので、受賞理由は以下の通りです.

転炉型脱リンや電気炉プロセスにおいて生成するスラグは均一な融体ではなく,溶銑や炭材とスラグの反応により生成したCO等の気体が混在した高温流体を形成しており,これらが密接に関わる問題が散見される.例えば,フォーミングスラグによって生じる無視できない量の粒鉄ロスなどの問題は,高温のスラグ中における気体や固体の挙動を把握できてない為に生じている.これに対して,室温モデル実験と高速度カメラを用いた高温実験により,フォーミングスラグの発泡および破泡に関するスラグ組成の影響を系統的に調査した.また,流体力学に基づく次元解析を組み合わせることによって,フォーミングスラグ中における固体粒子の分散・沈降挙動のモデル化を行い,実操業における粒鉄懸濁による鉄ロス低減に資するスラグの組成および物性コントロールに対する指針を与えた.これらの成果を広く発表した2023年9月に開催された最終シンポジウムでは,製銑・製鋼・凝固の枠組みを超えて60名以上の研究者が参加し,深い議論が行われた.加えて,WEB共有した発表資料は360回を超えるダウンロードがなされたが,これらは本研究会の成果が今後さらに進展するであろう電気炉普通鋼生産を含め,幅広い高温プロセスに適用可能であることを示していると考えられる.以上の通り,鉄鋼の学術,技術の共同研究に著しい功績があったと認められる.

主査:齊藤敬高(九州大学),副主査:植田滋(東北大学)

学側委員:嶋崎真一(香川高等専門学校),樋口善彦(産業技術短期大学),小林能直(東京工業大学),西郷浩人(九州大学),大野光一郎(九州大学),中本将嗣(大阪大学),加藤健司(大阪公立大学)

産側委員:中須賀貴光(株式会社神戸製鋼所),松澤玲洋(日本製鉄株式会社),川畑涼(JFEスチール株式会社),山本和巳・鷲見芳紀・橋本修志(大同特殊鋼株式会社),大塲康英・吉岡孝宜(山陽特殊製鋼株式会社),尾崎敦志・ 吉村慎二(愛知製鋼株式会社)        

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